豺狼の介護生活と対策等

母の介護と豺狼の日々

親父とは

 見る人少ないだろうけどこんにちは、こんばんは


 今現在一人暮らししております。
 
 父が入院し先生から「もう家に帰れないでしょう」と言われ、母の面倒に疲れながら派遣で働き、たまに友人宅で心身共に休んでいたタイミングで格安物件と出会い、同じタイミングで友人から家財捨てる手伝いを頼まれ、片付け手伝うから使える家財貰う事になり、速攻で契約して引っ越しした。


 引っ越しして1か月、父が他界。
 なんだかんだゴタゴタし、母が落ち着き始めた時にこのブログを思い出し今に至る。


 我が家の家系は僕で途絶える
 よって子のいない人の最期や墓じまいを全て僕が引き受ける話になっている。いや、なってしまった。
 従妹等はいるが、余命宣告受けてたり障碍者であったり縁が切れてたりとで僕が最後は墓守して墓終いして終わる。
 どれももめる可能性がある。いあ、あった。
 それもいい機会だったので話付けておいた。
 いつになるか分からないがそう遠くない未来、順に僕の最後の役割が始まる。



 父には感謝している。
 感謝しかない。
 親族含め遺産は貰うつもりはないと親父には言っていた。
 母は金の事ばかりで僕は常に金に困っていた。
 親父の保険の更新と切替の時、僕の為に母の反対を押し切り親父の保険内容を変えたがそれが原因で母はその保険屋と話ししなくなった。
 生前親父に一度聞かれたのを覚えている。
 「おかん騙されとるって怒っとるけど大丈夫なんか?」
 僕は答えた
 「あのままだともし親父がボケたりしたら全部おかんのモノになってその時おかんに何かあっても面倒見れへんから僕が困るんや、もし施設入れるにしてもどうするにしても僕が困るから僕の為に代えさせてもらったんや」
 すると親父は聞いてきた
 「そうか、お前が助かるならそれでええ」
 これが保険手続き終わった後に親父とした会話だった。


 そして親父が死んだ。
 診断書も出た。
 どうせ俺は一円ももらえんからどうでもいいし貰う気も無い。喪主だし動けるのぼくだけだから葬儀から相続まで一人でやって最後まで面倒だなと思いながら保険屋に電話して最後の手続きを開始した。
 そして当てにしていなかった「万が一の為の保険」が僕に降りる事が分かった。


 泣いたよ・・・。
僕には何も残らないと思ってた
何度も会社を休み社会的信用を失い、金を失い、兄弟や親戚から面倒事の全て押し付けられ、親父の苦しむ姿を思い出しながらまだ母の最期を面倒見なければならないんだ、こんな事で躓いとられん。気を抜くな!もっと踏ん張れ!俺しかいない!俺しかできる者がいないんだ!俺がしっかりしなければ、俺が終わらせねば・・・まだ親類のケツ拭きも残ってる。僕は最後の後始末を永遠として何も残らないんだと思ってた。
 何もいらない、最後の俺は誰にも迷惑かけないように準備して死んでいこう。
 そう思ってた。


 思えばいつも「おかんに任せとけ」と言って母に逆らわなかった父があの時だけ「お前に任せる」と言って母と喧嘩して僕の意思を組んでくれたのはこういうのを想定してたからかもしれない。
 契約したころに「おい、あの保険なんやった?」「あの保険屋いつくるんや?」「二年か、長いな」
とぼやいてたのを思い出した。


それからも
 「お前には何も残してやれんですまんな」
 「ええで、俺は男やし独身やから金が無くてもどうとでもできるから気にせんでええ」
こんな話をよくしてた気がする。


 でもずっと思ってた。
何で姉は数千万も貰って俺には一円も無いんだ?
何で親戚は姉にだけ金やって最後の面倒見るだろう俺には何も無いんだ?
何で金あるのに俺が払い続けねばならないんだ?
何で俺だけ世話せなあかんのだ?
何で俺しかいないんだ?
何で俺が全て、そう、病院での決断まで一人で決めて責任追わねばならないんだ?
何で俺だけ一人で2人も3人も世話しなければならないんだ?
何で俺なんだ?俺はそんなに悪い事してきたのか?


 最後は俺一人になるんだろ?
 何も残らないじゃないか・・・
 終わったら俺からっぽじゃないか・・・
 何もないじゃないか・・・
 まあひとりだからそれでもいいか・・・
 僕で終わらせたらええ、全部終わらせよう・・・
 俺で全て清算して、姪っ子に我が家の家系の事で迷惑かけんように出来たらそれでいっか・・・
 もう何ものこらんでいいや・・・


そう思ってた。
 でも最後に親父が残してくれてた。
 最後に俺が困らないように、何度も「もういつ逝ってもおかしくありません」と言われながら、何度も「もうええで、親父もうしんどいやろ、もうええんやで」と言っても生き続けたのはこの為だったのかもしれない。


 僕受け取りの唯一の保険金
  親兄弟のサイン不要の手続きがされていた。 


 母の貯蓄が尽きるまであと1年
  それ以降は僕が出し続けるか実家担保で借りるか最悪僕が借金したらいっかと思ってた。
 でもこれで金銭的にだいぶ楽になれる。
 これだけあれば母の最期まで持つだろう。
 これで派遣終わって無理してバイトしなくて良くなる。
 少し心に余裕が持てるようになる
 
まだすべて終わっていないが
 最後に救われたよ・・・
 本当に救われた・・・


 親父、最後の置き土産ありがとう。
 これだけは素直に受け取っとくよ。
 ありがとう